本の感想『なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造』
『なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造』
私は現在仕事をお休みしていて、できるだけ本を読むことにしています。
この本は私のもやもやを代弁してくれているような気持になりました。
書かれていることのほとんどが「わかる!」の連続で、働く女性、専業主婦、男性にも(つまり全員に)ぜひ読んでほしいと思える本でした。
残念だった点もありましたが、全体としてとてもおもしろかったです。
良かった点
専業主婦前提社会の構造がはっきり見えた
男性の長時間労働や転勤がなくならない理由、学校や幼稚園など専業主婦が在宅していること前提に社会の構造ができている。そこで働く女性が同じようにこなそうとすると一人で二人分の役割をこなすことになりしんどいのだ、と改めて言語化してもらい、共感しかなかった。
家事の手抜きを許してもらえる
日本の母親は家事をしすぎ、海外ではそんなにしていないし、気軽に外注しているので日本もそうなったらいいね、という主張に気が楽になりました。
家事代行が日本でももっと気軽に頼めるようになったらいいですね。
この本を読んで以降、とくに料理に対しては以前ほど身構えなくなりました。
最近はおいしい冷凍食品もたくさんありますし、なによりスーパーのお惣菜のクオリティも高いと気づきました。
冷凍食品は、企業が努力して社員を使い多額の設備投資をしておいしいものを作ってくれていて、素人の私が作るよりおいしい(冷凍ギョーザとか)のだから使わない手はないのでは、とポジティブに考えるようになりました。
この本では主婦パートの賃金の低さについても言及がありましたが、スーパーのお惣菜ってまさにそのパートさんが作ってくれているのではないでしょうか。
明らかに自分よりも料理スキルの高いであろう人が作ったお惣菜、むしろ家事代行よりも安くてコスパ高いのでは?と思うようになりました。
こんなふうに考えられるきっかけになったことを感謝しています。
残念だった点
バリバリ仕事ができる(できた)人の事例で話が進む
「働く女性はスキルも能力もあって優秀」という前提で話が進んでいるので、そうじゃないノースキル女性は置いてけぼりをくらってしまうのではないでしょうか。
働きながら子育てをする大変さについては書かれていることほとんどに共感しましたが、出てくる事例の女性は名門一流大学卒の海外出張もバリバリこなすキャリアウーマン。そんな女性が出産したら同じような働き方ができずに退職したり、夫の海外転勤に同伴して専業主婦を経験したのちにスキルはあるのに企業の調整弁となる低賃金パートで買い叩かれるという主張でした。
高スキル女性がそんな状況ならば、ノースキル女性なんて低賃金パートもないのではという恐怖がじわじわ襲ってきました。(そうでもないと思いたい)
とはいえ、そんなに優秀な女性でも同じような両立の壁にぶつかるのだな、と思いました。
能力・スキルが足りないせいでうまく両立できなかったのだ、と自分を責めていた私にとっては救いのひとつであったことには変わりありません。
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ブログを書くようになって、文章を書くのは時間もかかるし頭を使うことがわかり、こんなにたくさんの経験と時間、手間、頭を使って書いた文章を数百円~で読めるなんて!
と本を読むことに対してとてもポジティブにとらえられるようになりました。
大学を卒業するときに卒業論文も書きましたが、とても人様に見せられるものではなかったので、本を出せるようになる人には尊敬しかありません。